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小野俊太郎『 モスラの精神史』 (講談社現代新書,2007年)

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あの怪獣映画の傑作『モスラ』は,1961年7月30日に封切られた。同い年生まれである。 そして,本書を読んで何となくゴジラよりもモスラと同い年生まれであることを誇りに思うようになった・笑

さて,本書は,その1961年という年になぜあの蛾の怪獣があのような形で製作されたのか,中村真一郎,福永武彦,堀田善衛の三人による原作と本多猪四郎監督,円谷英二特撮コンビによる映画とはどう違うのか,映画に込められた意図は何だったのか,などなど一つ一つの謎を,ときに「深読みしすぎているのでは?」と思うくらい丁寧に読み解いていく。まさにスリリングな日本戦後精神史分析の一書。面白い!


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岩田規久男『経済学への招待 (ライブラリ経済学への招待 1) 』(新世社,2007年)

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岩田先生による経済学の入門書。ビジュアルが多用され,現実の経済事例に即しての説明を多く取り入れられている。薄いし,お値段も2000円以下に抑えられているので,テキストにも指定しやすいと思う。


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季武嘉也『選挙違反の歴史―ウラからみた日本の一〇〇年』(吉川弘文館,2007年)

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「選挙の歴史」というテーマは政治史研究にとってある意味「王道を行く」感じがするのだが,本書は「選挙違反の歴史」からみたユニークな近代日本政治史の本である。とは言っても,決してキワモノではなく,正攻法では見えてこなかった様々な論点が提出されており,非常に面白かった。


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小林英夫『日中戦争―殲滅戦から消耗戦へ』 (講談社現代新書,2007年)

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1937年の盧溝橋事件から1945年までの8年間におよんだ日中戦争で,なぜ日本は敗れたのかを,日本と中国(蒋介石の国民党政府が中心)の戦略構想の違いから解き明かす。

著者は日本の戦略は軍事力・産業力といったハードパワーに裏付けられた「殲滅戦争」という考え方からついに脱却できず敗れ,逆に蒋介石の国民党政府は,外交・政治・メディア戦略といったソフトパワーに裏付けられた「消耗戦」を粘り強く戦い,ついには日本に勝利したとみる。

複雑な国際情勢のなかで,その国際情勢を読み解く術に長けていなかった(放棄してしまった)日本外交の弱さが,それまでの歴史的経験によるものなのか,当時の国内情勢からくる制約なのかについては議論があるだろうが(そして当然,著者はそうした議論も承知しているであろうが),あえて前者を強調することによって,日中両国の違いを際だたせたところに本書の面白さがある。

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茅原健『工手学校—旧幕臣たちの技術者教育』 (中公新書ラクレ、2007年)

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工手学校とは、明治期、専門の技術者を補助する工手(技師と職工の中間の技術者)養成のために、渡邊洪基、辰野金吾らによって設立された私立の工業学校である(1887年設立)。

本書は、その工手学校が第1次世界大戦後、現在の工学院大学の前身となる工学院に名称変更(制度上も各種学校扱いから甲種工業学校へ変更)し、再スタートするまでの履歴を、関わった人々のネットワーク(副題にあるように旧幕臣が中心となって立ち上げられた)、輩出した卒業生たちの活躍などに焦点をあてて詳述している。

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飯田泰之『歴史が教えるマネーの理論』(ダイヤモンド社,2007年)

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お,アマゾンの画像,帯付きとそうでないヴァージョンと選択できるようになってますね。ではでは,ここではダイヤモンド社さんに敬意を表して「帯付きヴァージョン」で。

そのアマゾンのレビューですでに高評価(しかし、なぜかどうでもいいようなところで★ひとつ減じられていますが・笑)が与えられている本書ですが,オススメです。マネーの理論でもって実に爽快に経済史の重要トピックに説明を与えています。

日本史の知識なんかなくても大丈夫です。巻末には年表もついてますし♪(しかし、ダイヤモンド創刊がしっかり「経済学史」の項目に入れられていますね・笑)


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加藤陽子『シリーズ日本近現代史 5 満州事変から日中戦争へ』(岩波新書、2007年)、『戦争を読む』(勁草書房、2007年)

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前者は岩波の近現代史シリーズの第5冊目。時代は満州事変から日中戦争へ。政治史・外交史に絞った叙述になっているので、ほかの巻とは少し趣を異にする。それだけこの時代の政治史・外交史は難しい。しばらくおいて再読したい。


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原武史『滝山コミューン一九七四』(講談社、2007年)

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著者の原氏は1962年生まれ。一つ年下。ほぼ同年代だが、私は田舎の小学校(金沢)だったので、共通の体験としてここに書かれてあることとシンクロするのは、「班競争」を中心とした小学校5,6年生のときの記憶ぐらい。確かにあんまり良い思い出ではない。

が、ここに出てくるような「ボロ班」「ビリ班」なんていう言い方はしていなかった。同じ班が続けて最下位になると(たとえば漢字の書き取りの成績)、班替えをやって新しい班に編成替えしたりしてたけれども。


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手塚治虫『手塚治虫「戦争漫画」傑作選』 (祥伝社新書、2007年)

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手塚治虫の読み切り短編のうち戦争をテーマにした作品を7篇収録。どの作品もレベルが高く、「傑作選」に相応しい構成。新書判で漫画というのはこれまでなかったように思うが、意外に自然に読めた。


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横山秀夫『看守眼』(JOYNOVELS 実業之日本社、2007年)、『深追い』(新潮文庫、2007年)

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いずれも横山秀夫の短編集。前者は警察モノだけでなく、フリーライターがとある実業家の自伝執筆を請け負う「自伝」、家裁調停員を主人公にした「口癖」、新聞社の整理部を舞台にした「静かな家」などを収録。後者は、三ツ鐘署のさまざまな警察官を主人公にした警察モノ短編7篇。


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東野圭吾『夜明けの街で』(角川書店、2007年)

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「最高傑作」という帯は、嘘っぱち(怒)

しかし、暇つぶしとして楽しめないわけではない(実際、暇つぶしに読んだ)。

以下、ネタバレ注意

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宮部みゆき『楽園』上・下(文藝春秋,2007年)

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 『模倣犯』の続編だが,まったく別の話としても読むことは可能。しかし,できれば,『模倣犯』を読んでからのほうが良いだろう。『模倣犯』の「主人公」でもあるフリーライター前畑滋子の成長譚としても読めるからだ。もっとも,それに共感するかどうかは読者の自由。

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今日から8月

またちょっと日記が空いてしまいましたが、昨日、採点関連が一応全部終わりましたので、今日から「夏休み」モードに入ります。

……とは言っても、本当に休むのはこの週末ぐらいかな。お盆休みもないし、色々と仕事がたまっているので、なるべく8月中に片づけたい。

来月は中国行きもあるし^^;;;

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