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高橋敏『江戸の教育力』(ちくま新書、2007年)

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内容は大体予想していた通り。高橋氏の今までの著作をいくつか読んでいる人にとっては、そう目新しいことが書いてあるわけではない。が、非常にコンパクトにわかりやすく書かれているので、はじめての人にはオススメ。

ただし、漠然と言われてきた江戸の識字率に関して、村の入れ札史料に基づいた推測に関してははじめて読んだと思う。本書では、名主層で76%、百姓代で70%の識字率が推計されている(28〜33ページ)。


著者は、「江戸時代の教育は今日なおアジアで未曾有の日本の近代化に貢献した遺産とのみ見なされ、本筋は西洋に学び摂取する欧米化にあったとされている。果たしてそうなのか。既に18世紀後半から19世紀前半の江戸時代後期には文字文化と非文字文化を包括した広範かつ濃密な教育組織が民間の力で全国的に出来上がっていた」(200ページ)と結論する。


最近注目を集めているのはフィンランドの教育だが、もしかすると江戸時代の歴史に学ぶべきことはまだまだ多いのかも。

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Comments

はじめまして、突然失礼いたします。
江戸時代にすでに"70%"の識字率が達成されていたとのこと、大変興味深いですね。

というのも、明治以降の近代経済発展は、江戸期の大いなる遺産の上に築かれ、また日本の経済発展の開始期は通説より70年も早い1820年代である、というのが近年の数量経済史による研究の結果である、と大学の講義で習いました。
これは、江戸時代が決して停滞・暗黒の時代ではなく、庶民文化が開花し、そして江戸期の教育機関の多さからもうかがえる、世界的にみてもきわめて高い教育水準などから明らかだと先生はおっしゃっていました。
ただ、江戸時代の識字率のデータというのがこれまでなかったようですから、具体的な数値が提示されたということは、推測であっても、大きな成果であると思います。ちなみに、1891年(明治24年)の非識字者の割合が、26.6%(=識字率:73.4%)だそうですが、この数字はすでに江戸時代までに達成されていたのですね。

長くなってしまいすみません。。ご紹介ありがとうございました。ぜひ読んでみたいと思います!

Posted by: yuka | March 08, 2008 at 06:30 AM

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