« 寺崎昌男『大学改革−その先を読む』東信堂、2007年 | Main | 寺島隆吉『英語教育原論』(明石書店、2007年) »

佐々木譲『警官の血(上・下)』(新潮社、2007年)

513xwf0al_ss500_

51gs0cxfs8l_ss500_

2007年「このミステリーがすごい!」国内部門第1位獲得作品。一気に読めて面白い。はたしてこの作品がミステリーなのかどうかは別として……。


戦後の混乱期、全共闘、そして現代、それぞれの時代を象徴する事件に親子三代の警視庁警察官が絡んでいく。

初代が関わった事件がすべての発端なのだが、その初代の謎の死を解き明かすために警官になった二代目の運命がやはりすさまじい。実際の「大菩薩峠事件」をもとにした部分は圧巻。浅間山荘事件ではなく、大菩薩峠事件を選んでいるところが、渋い。

初代も国労組合員の事件が絡みつつ、最後は芋坂跨線橋からの転落、轢断死ということで、「下山事件」を思い起こさせるのだが、谷中の五重の塔消失事件(無理心中と放火)が効果的。

最後の三代目が内偵捜査した事件にモデルがあるかどうかは知らないが、“恋人”役で登場する東京消防庁女性救命士というキャラクターが、1990年代っぽい。


ところで、この小説ではじめて「駐在さん」というのが、どのような位置づけにあるのかわかった。モデルになっている谷中の駐在所というのは、現在もあるようですね。

|

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)