佐々木譲『警官の血(上・下)』(新潮社、2007年)
戦後の混乱期、全共闘、そして現代、それぞれの時代を象徴する事件に親子三代の警視庁警察官が絡んでいく。
初代が関わった事件がすべての発端なのだが、その初代の謎の死を解き明かすために警官になった二代目の運命がやはりすさまじい。実際の「大菩薩峠事件」をもとにした部分は圧巻。浅間山荘事件ではなく、大菩薩峠事件を選んでいるところが、渋い。
初代も国労組合員の事件が絡みつつ、最後は芋坂跨線橋からの転落、轢断死ということで、「下山事件」を思い起こさせるのだが、谷中の五重の塔消失事件(無理心中と放火)が効果的。
最後の三代目が内偵捜査した事件にモデルがあるかどうかは知らないが、“恋人”役で登場する東京消防庁女性救命士というキャラクターが、1990年代っぽい。
ところで、この小説ではじめて「駐在さん」というのが、どのような位置づけにあるのかわかった。モデルになっている谷中の駐在所というのは、現在もあるようですね。
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