「20世紀における日本の国際化・国際交流の軌跡」(早稲田大学オープンカレッジ2006年春)

 現代はグローバル化の時代であるという物言いはもはやあまりにも陳腐になってしまっている。しかし,その歴史的な源流,戦前期の先人たちの営為については,多くの人々の関心の外にあるのもまた現状である。

 日米民間外交を展開した渋沢栄一,大日本文明協会を組織し「東西文明の調和」を提唱した大隈重信,『日本の禍機』を著わした朝河貫一,米国における「日本学」の基礎を築き,ドナルド・キーンなどを育てた角田柳作などの名前も,彼らが「国際交流」に果たした貢献に比してあまりに知名度が低いと言わざるを得ない(渋沢や大隈は実業家,政治家・教育者としての名前はそれなりに知られてはいるが,恐らく朝河貫一や角田柳作の名前は知らない人が多いのではないだろうか?)

 いわんや戦前の各種の民間の国際交流団体や政府系機関の役割においてをや,である。

 そんな現状の中で,私の古くからの友人でもある鵜飼政志氏がこのたび早稲田のエクステンションで,国際交流の歴史に関する講座を開講されると聞き,及ばずながらここでも宣伝したいと思う。

 大学でも「国際交流史」に関するまとまった講義を開講しているところは非常に少ない。ご関心の向きはこの機会に是非!

 (オープン・カレッジ開講のご案内。早稲田大学エクステンションセンターの申し込みページはこちら)。

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大島貞益訳『日奔斯氏貨幣論』などの復刻シリーズ

 微妙に余っているらしい経済研究所の図書予算。あまりでかいコレクションを買っても置く場所もないし……。あれこれ色々と考えて選定してみたのがこれ。まだ買えるかどうかわからないが・笑

 原洋書もついでに付けてくれるとより一層便利かと思うのだが,そうするとお値段のほうも当然倍以上はしてしまうんだろうな。

 どちらかと言うと,本日のエントリー表題のものなどが含まれる第二期のシリーズのほうに興味があるが,第一期が買ってもらえれば第二期・第三期も揃えやすくなる。

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国立公文書館のデジタル・アーカイヴ

 3月末日でちょうど1年が経過する国立公文書館のデジタル・アーカイヴ。公開当初にアクセスしてあちこち見た記憶があるのだが,そのときは「プラグインのインストールとか面倒くさいなぁ」と思いつつほったらかしていた。

 で,昨日,某史料の閲覧を公文書館に申請しようとしてサイトにアクセスしたら,当該史料がすでに画像になってダウンロード可能ではありませんか!

 Mac OS X 対応のプラグインも簡単にインストールできた。素晴らしい!

 もっとも,見たい史料がすべて画像化されているわけではないし,外交史料館所蔵資料(とくに通商関係)はまだまだデジタル化が進んでいないようだが,それらも次々とデジタル化されてゆくのだろう。何だか便利な世の中になったものだなぁ……。(史料の整理状況はこちら

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虚業と実業2

 昭和戦前版(1926-1945)朝日新聞紙面DBで「虚業」を全検索かけてみたら,1934年5月28日付け朝刊9面に辰野九紫による「賄賂ABC(上)」の小見出しに「虚業家の魔手」というのが1件ヒットした(1件しかヒットしなかった)。

 残念ながら文字の写りが悪く判読不明な部分もあって,よく意味内容がわからないのだが,どうやら官僚腐敗の一つのケースとして怪しげな画商(虚業家?)による掛け軸の贈り物を通じて賄賂が贈られる云々という話らしい。

 いずれにせよ,「虚業」という言葉自体それほど一般的ではなかった(少なくとも新聞見出しに頻出するような語句ではなかった)ことがわかる。

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虚業と実業

 毎日のようにメディアで垂れ流される「虚業」「実業」の二分法による「虚業」批判は,その概念規定からして間違っている。あるいは意識的に取り違えている。なんてことは日本経済思想史を少しでも勉強したことのある人にとっては,いわば「常識」。

 福沢諭吉が「虚業」と「実業」の対比でもって「実業」を称揚したのは,江戸時代に蔑まれていた“商売”という概念を救い出すための工夫だったんですがね……。

 結局のところ形を変えた「賎商」観は,泉下の福沢先生の意図とはまったく逆に,しかも自らの作り出した言葉によってたくましく生き残ってしまっている。

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個人情報保護と情報公開

 昨日の日本経済新聞朝刊の文化欄。「個人情報保護で資料閲覧に壁/近現代史研究に暗雲/過敏な自治体/基準作り急務」という見出し。

 「個人情報保護法」が拡大解釈されて,過去の資料閲覧に支障(自治体ごとの曖昧な対応。事なかれ主義的対応などに起因)を来しているらしい。

 一方で京都府のようにきちんと基準を作って対応しているところもある。

 京都府は一九九六年,個人情報保護条例を制定。これに伴い,全国に先駆けて情報の内容によって開示までの年限を定めた。戸籍や門地に関する個人情報は百年,人種や身上調書,家族・親族,行政履歴などは八十年間非公開とした。

 英国公立文書館も一般の公文書は30年。戸籍などの個人情報は100年だった(2000年に1900年のセンサス資料が公開され,夏目漱石の在英中の居住情報などが公開されて話題になった)。

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